オリエンテーリング |
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オリエンテーリングのすべて |
| 〜オリエンテーリング〜 オリエンテーリングの起源は、19世紀後半にスカンジナビアで行われていた軍事教練に 求められます。 競技スポーツとしてはノルウェーで始まり、Tjalve Sports Club主催によりオスロ近郊で 開催された1897年10月31日の大会が最初のものです。 この時のコースは現在の競技基準からすれば相当長いもので、19.5kmもあり、コントロールはたった3つだけ置かれたもので、ペダール・フォッサム（Peder Fossum）が1時間47分7秒で 優勝しました。 最初の大規模なオリエンテーリング大会は1918年にスウェーデンのストックホルムでエルンスト・キランダーにより開催されました。 キランダーはボーイスカウト運動の指導者で、後に青少年に陸上競技を学ばせる機会として スポーツに傾倒していました。 この最初の大規模な大会は、ストックホルム南部で開催され、220名が参加しました。 キランダーはルールの制定とスポーツとしての位置付けの開発に腐心し、今日の北欧諸国では「オリエンテーリングの父」として広く知られています。 その後、方位磁針の改良と共に、1930年代には一般への普及が進みました。 最初の国際大会は1932年にスウェーデンとノルウェーのオリエンティア（オリエンテーリング 競技者）を集めて開催されました。 1933年には、スウェーデンのコンパス会社シルヴァが新しいコンパスデザインのプロトラクターコンパスを開発しました。 サム・コンパスの開発まで、プロトラクターコンパスは長らくオリエンテーリング競技における 中心的役割を担いました。 1934年までには、100万人以上のスウェーデン人たちがオリエンテーリング競技に参加するようになり、フィンランド、スイス、ソ連、ハンガリーに広がっていき、フィンランド、ノルウェー、 スウェーデンの3ヶ国では国内選手権大会が開催されるようになりました。 スウェーデンのオリエンテーリング協会（Svenska Orienteringfo"rbundet）が1936年に 創設され、一国の統括団体としては世界初のものとなりました。  第二次世界大戦後、オリエンテーリングはヨーロッパ、アジア、北米、オーストラリア、 ニュージーランドに広がっていきました。 北米における最初のオリエンテーリング大会は1941年11月にアメリカニューハンプシャー州 ハノーバーのダートマス大学において開催されました。 この大会の運営はフィンランドからの留学生ピルッティ・ハイスケイネンが行いました。 スウェーデンのオリエンティア、プジョーン・キェルストロムが1946年にアメリカに移住し、 オリエンテーリングへの情熱をそのまま持ち込みました。 ノルウェー人のハロルド・ウィルビーの協力のもと、1967年に全米最大のオリエンテーリング クラブのうちの一つが創設されました。 カナダオリエンテーリング協会も1967年に創設され、同年、カナダオリエンテーリング選手権 大会がオタワのガティノー・パークで開催されました。 1993年のニューヨーク州のウェストポイントで開催のオリエンテーリング世界選手権が、 北米での唯一の世界選手権開催となっています。 1949年に、規則の制定と地図作成方式の標準化を目的とし、スウェーデンのサンドヴィケンで 国際会議が開催され、11ヶ国が代表を送りました。 1950年代にノルウェーとスウェーデンでは多色刷りのオリエンテーリング専用地図を 開発していました。 最初のオーストラリアにおけるオリエンテーリング大会は1955年に開催されました。 国際オリエンテーリング連盟（IOF）は1961年に創設され、 最初の世界選手権が1966年に行われました。 IOFへの創設時のメンバー国はブルガリア、チェコスロバキア、デンマーク、東ドイツ、西ドイツ、フィンランド、ハンガリー、ノルウェー、スウェーデン、スイスでした。 1969年までには、IOFには16ヶ国が加盟するようになり、ヨーロッパ外からは初となる 参加国として、日本とカナダが参加しました。 1960年代には、屋外競技という特徴と環境への関心の高まりが符合し、 世界的にブームとなりました。  今日では、67ヶ国の国内組織がIOFに加盟しています。 これらの国々は全ての居住可能な大陸を網羅しています。 世界選手権は1961年から2002年まで隔年で開催され、2003年以降は毎年開催されています。 ジュコラ・リレーとチオミラも1940年代から開催されています。 最大のオリエンテーリング大会であるO-Ringenは1965年から毎年開催され、 約15,000人の競技者がスウェーデンの森で競っています。 スキーオリエンテーリングやマウンテンバイクオリエンテーリング、トレイル・オリエンテーリング、ラジオ・オリエンテーリングなど、新しい種類のオリエンテーリング競技が開発され、多岐に渡るジャンルの競技者の関心を呼んでいます。 競技は特に北欧諸国やスイスなどで盛んであり、フランス、イギリス、東欧諸国でも普及が 進んでいます。ヨーロッパ外ではオーストラリア、ニュージーランドが強豪国となっています。 ◇日本の現状◇ 現在、日本で競技として楽しむ人（オリエンティア）の数は数千人、その多くが大学のサークルで始める人々というのが現状です。 遠足などで広く一般に認知されている「徒歩オリエンテーリング」との関係は、日本における オリエンテーリング普及の歴史と関わりがあります。 オリエンテーリングが70年代に日本に輸入されたときに、国民体力づくり運動の一環として レクリエーション手段としてのPRを強化した結果、オリエンテーリングの一種目としての 「グループクラス」が一般に浸透してしまい、本来の競技スポーツとしての理解が得られにくく なった経緯があります。 また、日本でオリエンテーリングが行われる環境は人里近くの山野であり、多くの競技者が山に入った場合、ほかの野外活動以上に自然環境が荒廃する問題や競技者のマナーの問題から 地権者や地域社会との関係が悪化する場合もあります。 オリエンテーリング競技はマイナーなスポーツであるため、地域社会の理解を得て良好な関係を継続して築いていくことが重要です。 2005年8月には、オリエンテーリングの世界選手権がアジアでは初めて日本（愛知県）で 開かれました。  ◇競技の特性◇ オリエンテーリング用の地図は専用のものが作られます。 通常の地形図をベースに、細かい地形や植生、林の中の通行可能度、道の太さに至るまでの 情報が人手によって記録され、作図されます。 地図の縮尺は主に1:10000または1:15000のものが使われます。 地図は競技の際にはじめて競技者に渡され、地図が作成される地域への競技者の事前の下見などでの立ち入りは禁止されるため、競技者は初めて見る地図と地形に柔軟に対応する力を 持つ必要があります。 通過ポイントは、道上などの簡単な場所にはないことが通常で、上位のクラスでは 通過ポイント間の最適ルートが森の中をコンパスを頼りに数百メートル直進することも多いです。 ルート選択やナビゲーション技術という頭脳的ゲームとしての側面と、地形変化に対応する足腰や基本的走力といった陸上競技としての側面を併せ持った、ユニークなスポーツと言えます。 オリエンテーリング厳選リンク |
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